とあるコーダーさんの納品時チェックリストに入っていて、意識したことのないタグだったので調べてみました。
「link rel=”canonical”」とは?
同じようなコンテンツが複数のURLで公開されてしまった場合に、どのURLが正式なコンテンツのURLであるかを示す(URL正規化)ためのタグです。
例えば、同じブログ記事を「https://biori-web.net/canonical1」と「https://biori-web.net/canonical2」の2つのURLで公開してしまった場合、どちらが正式なURLなのかが分からなくなってしまいます。
そういったときに、「link rel=”canonical”」を使用することで、どちらが正式なURLであるかを明示することができます。
正式なURLがわからないとなにが問題か。
人間にとってはさほど問題ないかと思いますが、SEOの観点からすると重複コンテンツと捉えられてしまう可能性があります。
重複コンテンツとは、同じまたは非常に似た内容のコンテンツが、複数のURLで公開されてしまうこと。
重複コンテンツが存在すると、検索エンジンはどのURLを正式なコンテンツと認識すべきか分からず、検索結果のランキングが低下する可能性がある。
また、同じコンテンツが複数のURLで公開されてしまうことで、サイトのクロール速度が低下し、検索エンジンによるインデックスの品質が低下する場合がある。
URL正規化とは
URL正規化とは、WebサイトのURLを規則に従って標準化すること、わかりやすく言うと、Webサイトの住所をきちんと書くことです。
URL正規化には、主に2つの目的があります。
ユーザビリティの向上
URLを短く、わかりやすく、覚えやすいものにすることで、ユーザーがWebサイトを訪れる際に、コンテンツを簡単に理解できるようになります。
SEOの向上
URLが正規化されていると、検索エンジンのクローラーがWebサイトを正確にインデックスできるため、検索エンジンランキングを向上させることができます。
「link rel=”canonical”」の使い方
メタタグの一種なので、head内に記載します。
<link rel="canonical" href="正式なURL(絶対パス)">
「https://biori-web.net/canonical1」と「https://biori-web.net/canonical2」があった場合、後者の「https://biori-web.net/canonical2」のhead内に記載します。
<link rel="canonical" href="https://biori-web.net/canonical1>
前者の「https://biori-web.net/canonical1」の方には記載しても問題はないとそうですが、する必要もないそうです。
・URLの記述は絶対パス
・必ずhead内に記載する
・誤ったURL(404など)を指定するとサイト全体の評価に悪影響が出ることもある
・1ページに1つのみ
・別ドメインへの指定も可能
・サイト内でリンクする場合は正規ページへリンクを貼る
・正規URLではhttpではなくhttpsを優先して使用する
実際に「rel=”canonical”」を使うときって?
同じようなコンテンツのページができるときってつまりどんなときか洗い出してみました。
- PC版とSP版でURLが違う
- 商品ページなど色やサイズでURLが異なる
- ブログシステムによって似たようなURLが生成される
- 流入経路を解析するためのパラメーターを付与したURLを使用している
- 印刷用のページを別途作成している
- AMPページを作成している
- 多言語サイト(場合による)
ブログシステム、例えばWordPressではSEO対策のプラグインで対応できることが多いようです。
AMPページの優遇も終了していますので、新規案件ではなかなかないかなと。
ECや古いサイトの改修などは意識する必要がありそうです。
301リダイレクトと「rel=”canonical”」の違い
どちらも重複コンテンツ問題を解決するために有効な手段ですが、状況によって使い分ける必要があります。
「301リダイレクト」は、古いページから新しいページに自動的に転送する方法で、訪問者を正規のURLに誘導します。
一方、「link rel=”canonical”」は、訪問者を指定先のURLに誘導するわけではなく、検索エンジンにどのページを正しいページとして扱うべきかを教えます。
どうしても2つのページを永久に統合して重複をなくしたい…301リダイレクト
どちらのページも訪問者が閲覧できるようにしておきつつ、検索結果にはどちらか一方だけを表示させたい…「rel=”canonical”」
まとめ
あまり意識することのなかったタグですが、重複ページがあるときは意識しないとサイト全体のSEO評価に影響が出るので要注意です。
正規化がきちんとできているか、Google Sarch Consoleで確認する方法もあるようなので納品の際はここの確認も怠らないようにしないとですね。
URL正規化には色々な方法があり、時と場合により使い分けが必要なので安易にcanonicalを使用しないようにしてほしいと思います。
一人のコーダーの調べごとのまとめです。googleアップデートによって状況が変化する場合がありますので、必ず公式ドキュメントをご確認ください。
https://developers.google.com/search/docs/crawling-indexing/consolidate-duplicate-urls?hl=ja